江戸薀蓄

第一回【雪月花って?】

演出です。またもや苦し紛れのコーナー開設です。
さて、今回の御題。雪月花とは。

タイトルにも冠しましたが、作中のイメージとして雪と桜を使うことから、
割と適当に(スミマセン)命名したのですが、改めて調べてみましたところ、
<雪月花>とは、その名のとおり雪と月と花、”日本の代表的な美の総称”
もしくは”自然の美”を指しているようです。
…えっと…まあ、美しいモノって事で…(大雑把)。

しかし、この言葉は元来、中国の漢詩から来ているのだとか。
中国の詩人、白居易が「寄殷協律」という漢詩の中で詠んだ中の一句
「雪月花時最憶君 … 雪月花の時、最も君を憶(おも)う」に由来し、
ここで云われる 「雪月花時」は「四季折々」の意味、だそうです。

これをオマージュして(もしくはインスピレーションを受けて)、
奈良時代の歌人・大伴家持が下のような詩歌を詠んだことから、
この単語は日本人の間にも広まったようでございます。

【 雪の上に照れる月夜に梅の花折りて贈らむ愛しき児もがも 18-4134 家持 】

流石に、三十六歌仙の一人。美しい情景をうたっています。
宴席で詠われたそうですが、その場では
「キャー!そんな梅の花、私も贈られたーい!!愛しき児になりたーい!!」
と、さぞ盛り上がった事と………チッ。(?)
ちなみに、奈良時代までは花=梅でしたが、平安の時になってそんな梅ブームも
あっけなく桜に取って代わられ、以後、花=桜の意味になり、現代までそれが続いています。
さらば、梅。

とまあ、こんなところから「雪月花」=雪・月・(桜)花という言葉は、
日本人の好きなモノ及びそれらを示す単語となっていったようでございます。

これを踏まえまして、作演としましては「雪の降る日も桜の咲く日も、いつの日も君を憶う」
と、美しくも乙女なポエム的テーマを、いそいそと、そして何かを強く確信しながら、
演出に組み込むのでありました…。なんか適当につけた作品名でしたが、
こうしてみると、なんだかとってもしっくり来る気がしますね!
…THE・後付け作戦。でも多分大丈夫です、そんな云うほどじゃないと思いますんで。
not乙女系の方にも、是非ご高覧頂きたい次第m(_ _)m ちょん、ちょん、ちょん、ちょん…。



最後に、オマケ。
このサイト・左側に使用している壁紙も雪月花という題らしいです。
江戸の伝統文様の一つで、字がアレンジされていますね。見りゃわかりますね。
これが布地になっていたということは、好きな言葉を身につけたって事でしょうか。
現代なら、そうですね…さしずめ、 I ラブ N.Y.みたいな…(違う)。