from DIRECTOR
≫過去の『演出家だより』。


今日、地元のサティでインド系の方の母娘を見かけました。
3歳位の娘さんと20〜30代と思われる若いお母さん。
娘さんは一般的なお洋服でしたが、
お母さんはサリーを着ていらっしゃいました。
…寒いのにサリー。
冬用にアレンジしていたようにも記憶してますが正確な所は失念。

で、二人の間の決定的な差異は、服装や体型や言葉や鼻ピアスとか
…とかまあ色々ありますが、一番インドらしい点をあえて選出し
挙げるなら【ビンディー】ではないかと私は思ったのです。

額の真ん中にぽちっと見える…
そう、あの赤くて丸いホクロのような、シールのような。



あれが【ビンディー】というのだそうです。
既婚女性の証、だそうですよ。



そういえば件のサティでその昔、愛と夢を紡ぐ子供向け写真スタジオで
アルバイトをしていた事があるのですが、その際、七五三の写真撮影
ということでインド系の母娘さんがいらした事がありました。

日本風に頭を結って被布を着せて、さあお写真撮ろうねー、といった所で
おもむろにお母様が化粧ポーチからさっと何かを取り出し(多分、口紅)
娘の額にぐりぐりっと赤くて丸いマークを描きだしました。
横にお祖母様もいらっしゃいましたが、さも当たり前のようにその光景を
優しくも厳しい目で眺めていらっしゃいました…(ごめんこの辺主観かも)


今思えば、あれもビンディーだったのではないかと想像するのです。


元来は宗教的な意味合いを持って神聖なる”第三の目”にあたる
眉間の部分に貼っていたようですが、近頃はファッションとしても
成人女性達の間に普及している、との事なので、
「晴れの日」もしくは「キメのイベント」の際は、成人女性でなくても
ビンディる(ごめん今つくった)ものなのかもしれないですね。



「額は人間の中枢であり、神聖なる部分で体の中でも特別な場所
だと考えていて、昔は額に赤い粉をつけていました。
お寺に参拝に行った際にも付けたりします。」

という一文を後日読み、なるほどなあ、と納得した次第。

(07.2.27.)